病室のベッドから施術室まで看護師の方々に付き添われ手術室に歩いて入り、
手術室の内部を観たのは覚えている。
そしていくら時間が経過したか判らないまま目が覚めて、寝ているベッドの
天井がはっきり見えた。「生きている!」の一言が頭に浮かんだ。
静かな集中治療室だった。
10時間の手術だったそうだ。十時間の手術で丁度10kgの体重を失った。
体重だけではないこれまでの自分の体も失った。
私の癌は痛くも痒くもなく、自分が癌に罹患していることすら今でも信じられなかった。
しかしあの2025年7月22日は従来の私がこの世から消え、23日の朝に私は再
び新たな姿でこの世に生まれ出た。正にリボーン。

